多国籍チームの研修

今週は、日系大手企業の「新規事業を考える」研修の講師をしてきました。
総勢100名超の参加者を7クラスに分けて同時進行するという大がかりな試みです。
うち5クラスは日本人のみ(日本語)、2クラスは多国籍チーム(英語)で、
多国籍チームのファシリテーションを担当してきました。

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研修で使用するフレームワークは、広く一般的なもの(Business Model Canvas)なので
知識を移転すること自体にはあまり価値はありません。
肝となるのはディスカッションのファシリテーションです。

僕のクラスは3グループあり、グループごとに、異なるビジネスモデルを検討し、発表をするのですが、
ワークの進め方に三者三様の傾向がでました。

グループA:
議論を拡散させるのが得意。壁のホワイトボードを目いっぱい使って、
最後まで議論が収束しないが、活発なやりとりとなった。
議論を触発するリーダーが存在した。

グループB:
早い段階から役割分担が進行われ(Marketingが得意な人と、数字が得意な人)、
分業が効率的に行われ、安定的に時間内に資料をまとめた。
ステークホルダーのマネジメントが上手にできていた。

グループC:
ボトムアップ式に全員が意見を出し、着実に事実ベースの数字を積み上げ
計画策定を行った。分析が上手。

事業の発展段階によって、相応しいチーミングやプロジェクトの進め方があります。
Aは創業期、アイデアジェネレーションの段階、
Bは同志を募り組織化していく段階、
Cは投資家やパートナーを説得し、資金を得る段階、
にそれぞれ強みがあると思いました。

これらのチームの議論に対し、その場対応で適切な質問とコーチングを入れて
彼らがアウトプットの質を上げるのをサポートするのがファシリテーターの役割です。
決して「知識・経験を教えてあげる」といった態度では成立しません。

とりわけ海外から参加者を招いて行う研修は、
このようなアウトプット中心の場になってきています。
知識インストール型や経験をベースにした啓蒙型の研修の時代は既に終わりました。
そして、

  • 一回では終わらない、継続的な取り組みにすること

  • 業務との関連性の高いテーマにし、職場に持って帰れるアクションをアウトプットすること

が重要です。

来年もこのようなワークショップが増加しそうです。

 

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