ラーニングファシリテーション研究会

「ATDラーニングファシリテーション研究会」に参加しました。
これはプロのファシリテーター達が相互に経験を持ち寄り、
そのコンセプトの理解や方法論をひもといていく場です。
今月から半年にわたるプロジェクト活動が始まります。

各方面でかなりの経験のある方々が集まっており、
またテーマもバーチャル・ファシリテーションや心理学を
採り入れた研究など、興味深いです。
今後、情報アップしていきます。

シンガポール国立大学

続けて、シンガポール国立大学(NUS)で授業を行ってきました。
Business Cultureというパートを任せていただき、
2014年から実施しています。

大学の正規の単位になる科目で、僕の話した内容から
期末試験にも出題されます。

NUSはアジアのナンバーワン大学ということもあり、
シンガポールで最優秀層の子たちが集まります。
(正確にいうと、政府のフルスカラーシップでアイビーリーグ等に
留学する1%未満の子たちが最優秀層で、NUSはその次)
一方で、学生たちは初等教育ではテスト重視で育ってきているので
授業中はおとなしめで、あまり積極的な質問は出てきません。
米国の学生のように、先生にチャレンジ質問をする子もいません。
不明点があると、授業後に個別に先生に聞きに来るというパターンが
多いようです。

授業の運営は、企業研修のファシリテーションとは違った難しさがあります。
今年の11月には日本の某中学校で出前授業をすることになっているのですが、
かなりの工夫が必要と感じています。
この辺はまた書くこととします。

 

シンガポールマネジメント大学

先週はシンガポール出張で、いくつかの大学でセミナーをしてきました。


シンガポールマネジメント大学(SMU)では
昨年の10月に引き続き、夜間の特別セミナーで
「Business Culture and Career Development」をテーマとして
お話ししてきました。いろいろ質問も出て、活発なセッションとなりました。
日本企業で働きたい(日本で働きたい)という学生が多くいて、
ビジネス習慣に関する質問が多数出ました。
まずは異なるカルチャーの本質的理解が大事です。
異文化研究の古典的理論の提唱者Hofstedeは文化を
「Software of the Mind」と表現しています。
目先のテクニック(Application Skills)を身に着ける前に
その基盤となるソフトウエアをアップデートすること
(つまり、コミュニケーションのベースとなる自己理解と
他者理解)の重要性を強調しました。

大学でのセミナー

10月19日、シンガポール経営大学(SMU)の学生に対して
セミナーを行ってきました。

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SMUは2000年に設立された、比較的新しい国立大学です。
シンガポール国立大学(NUS)が多くの学部を持つ総合大学なのに対して
SMUは経済・ビジネスにフォーカスした、実務よりの大学で、
ペンシルバニア大学ウォートン校をモデルとして、欧米の超一流教授陣を
招いて実践的教育を行っています。
企業からは、「SMU卒業生は実践的で習熟が早い」とのコメントもよく聞きます。

これらの2校と、南洋理工大学(NTU)がシンガポール三大学です。
(そのほかにもデザインスクール等、新しい教育機関が昨今設立されています)
僕は、NUS、NTUでも講義をしてきたので、これで三大学すべてで講義・セミナー
をしたことになります。
PhD(博士)などのバックグラウンドがない、民間の個人コンサルタントとしては
これは珍しいことのようです。

今回はSMUの中で日本文化に関心がある学生の団体
JCC(Japanese Cultural Club)のお招きで、Japanese Business Culture
に関するセミナーを行いました。
ビジネス習慣の違いを構造的に理解するとともにキャリアに対する考え方等を議論しました。

シンガポールの学生の本業は勉強です。日本とは大きく異なります。
というより、日本だけが特殊です。先進国でこれほど学生が勉強しないのは日本だけです。

また、職業選択の考え方や、企業側の採用基準、キャリア開発(GeneralistかSpecialistか)等
様々な観点で相違があります。
特に日本では企業の多くは面接の時に成績を見ないし、学生もGPA(4点満点の平均)という言葉を
知らない(恥ずかしながら、僕も26年前は知りませんでしたが)という事実に
SMUの学生は驚愕していました。

ぜひこのグループの中に日本の大学生も交えて、活発な議論をファシリテート
したいと考えています。
日本の高等教育機関にもいろいろ提案をしていきたいと思います。