マネジメントとスポーツのアナロジー

リオオリンピックの余韻がまだ残っている今日この頃、
シンガポール(Joseph Schooling選手)が水泳で初の金メダルを
獲ったことは今でも強く印象に残っています。

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さて、
シンガポールの日系企業の幹部からは、よくステレオタイプの意見が
聞こえてきます。
「ローカル社員は気が利かない、自分のスコープ内の仕事しかしない」など。

この議論は表面しか見ておらず、奥行きがありません。

僕はよく研修の中で、ビジネスとスポーツの類似性の中で、
マネジメントに必要なことを議論します。
そして教育的背景にも深い考察を入れます。

こんな質問をします。

「シンガポールがこれまでオリンピックでメダルを獲った競技は何だと思いますか?」

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答え: 卓球と重量挙げ

シンガポール人が得意な競技の特徴について下記の仮説を立てます。

①室内競技(not 屋外競技)
つまり、天候やグラウンドのコンディションなど、外的要因の変化には弱い。

②個人競技(not 団体競技)
教育がそもそも個人主義をベースに成り立っています。

そして、3番目は何でしょう。

③相手との間に境界線が引かれていること。
卓球やバドミントンが該当します。当然水泳もそうです。
仮に、室内競技で個人競技だったとしても、相手との接触がある競技は
苦手です。つまり格闘技などです。

そして、もう一つ言えば、
④数値目標が設定できること。

となります。

逆説的にこれらを総合すると、一番苦手なスポーツは
・・・

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・・・

ラグビーと言えます。

一方で、日本人にとってはラグビーの昨年の活躍は記憶に新しいし、
ポピュラーなスポーツです。自分を犠牲にしてボールを生かすとか
“One for all, all for one”みたいな思想は、日本流ビジネスに
とてもフィットします。
しかしながら、この価値観があまり通用しない文化もあるのです。

異なる価値観の国でマネジメントを行う立場の人は
リーダーシップスタイルを柔軟に変えなければ High Performing Teamは
創れません。

ではどうすれば良いか。
上記4つの断面で考えてみると、少し解が見えてくるのではないでしょうか。

 

フィジカルとメンタル

ラン仲間と会談しました。

「ビジネスの問題は複雑化しており、ビジネススキルの習得だけでは
解決できなくなっている」ので、異なる分野の知恵の組み合わせが重要。
この観点でアスリートとビジネスパーソンの共通項について諸々
ディスカッションしました。

エグゼクティブにとっては、体力とボディコンディションニングの重要性が
増していると思います。
「レジリエンス」とか「メンタルタフネス」は健全なフィジカルの上に成り立ちます。
20-30代の若手が情熱と気力でハードワークができるのは、フィジカルが十分に
強いから。40代以降は、むしろフィジカルを適切に鍛えていないと、その上に
健全なメンタルが乗ってきません。

その意味ではビジネスパーソンはコンピュータと一緒です。
十分に高機能なハードの上にOSが乗り、アプリケーションが乗っかる。
アプリケーション(ビジネススキルと知識の領域)は常にアップデート、訓練する
ことによってパフォーマンスが最大化する。

この普遍的原則は忘れないようにしたいところです。

シンガポールでのリーダーシップ研修

9月8日-9日の2日間、某日系企業のシンガポール法人で
リーダーシップ研修の講師をしてきました。

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リーダーシップ研修といっても、世の中にはたくさんの種類(流派)
があると思います。
僕はここ5年間で多くの研修を企画・運営しました。
また、自分自身も多くの研修を受講し、勉強しました。
それらの知見に加え、シンガポール政府が職業訓練として推進している
WSQフレームワーク(Work Skills Qualifications)の枠組みも参考にし、
自分なりの洞察を加えて開発したオリジナルの2日間プログラムです。
当然、すべて英語です。

コンテンツ(内容)とデリバリー(ファシリテーションの仕方)にシンガポール
ならではの工夫を入れています。

日本でもリーダーシップ研修は数多くあると思いますが、
コンテンツの違いを一言でいうと、
「人は同質」とみるか「人はみんな違う」とみるか、だと思います。
受講者の大半がシンガポール人であることを踏まえ、
ダイバーシティや彼らの教育的背景も考慮に入れてデザインしました。

また、ファシリテーションの仕方もローカライズが必要です。
個人主義をベースとした「競争」という概念が根底にあります。
チームで行うエクササイズには競争の要素を採り入れ、必ず優劣をつけます。
そして、優秀な成果を出したチーム(個人)にはReward(報酬)を見せるのが
大事です。
金銭的なものでなくても、お菓子とか、そんなものでも良いのです。
こんな感じで、ローカル向けのトレーニングプログラムの開発・運営を
行っています。

詳細の情報をご希望の方は、お気軽にメールをください。

Cross Frontier 始動

5年ぶりにシンガポールから日本に戻り、Cross Frontier を創業しました。
当面は、従前から携わっている人材育成分野を中心に、多方面の方々と
協業しながら日本および東南アジアでプロジェクトを推進します。

”Cross Frontier” には2つの意味合いがあります。
① クロスボーダーの環境で成果を出せる組織・ヒトを創る
② 多岐にわたる専門性をクロスさせ、イノベーションを起こす

このコンセプトをベースに、新規事業の名称をクラウドソーシングで世界中に
募集したところ、多数の応募があり、タイ在住のコピーライター(面識もない)
が提案してくれた”Cross Frontier”が一番フィットしたため、この名称にしました。
このように、オープンリソースで良いものを採り入れて新しいことにトライしていきます。

以後宜しくお願い致します。

Lee