シンガポール・バイオポリスで研修

シンガポールのバイオポリスで科学者向けの
マネジメント研修を実施してきました。

バイオポリスは、生命科学分野(医学、製薬、バイオ等)の
世界中の先進企業が集積する地域で、それらは
シンガポールが国策として最も力を入れている産業の一つです。
受講者の半数がドクターという、貴重な経験でした。
非常に有意義なディスカッションが交わされました。
年末に向けてまだまだたくさんの研修が続きます。

クリエイティビティの開発

9月20-21日の2日間
AMA(American Management Association)主催
『Creativity & Innovation』のファシリテーターを
してきました。

ワークショップは主に3つの要素でたくさんの
エクササイズをしていきます。

① Focus(解決すべき課題特定)
② Divergent Thinking(拡散型思考)
③ Convergent Thinking(合意形成)

クリエイティビティの素養は全ての人が持っています。
そして、それは「ラーナブル」なスキルです。
ただし、継続的な訓練をすることが大事です。

2日間非常に楽しく、実生活で役に立つスキルセットを
習得できるワークショップです。

Innovation Workshop

某企業の新規事業を検討するワークショップ(3日間)
を実施しました。

多国籍なチームで顧客体験を議論し、いくつかの具体的アイデアを
抽出し、事業化検討のためのアクションプランを策定するものです。

いわゆる、クラスルーム型の企業研修にくらべ、
議論は拡散し、予め結論の着地は読めないため、その場での
即興的対応も必要となり、異なるスタイルの
ファシリテーションが要求されます。

最近ではDesign Sprint
(Google Venturesがスタートアップ支援の為に用いているプログラム手法)
の考え方も採り入れ、短期間で新ビジネスのプロトタイプを作って、
潜在顧客に対してテストする、というアジャイル(俊敏な)取組を
本格的に実践する企業が増えてきました。

 

多国籍チームの研修

今週は、日系大手企業の「新規事業を考える」研修の講師をしてきました。
総勢100名超の参加者を7クラスに分けて同時進行するという大がかりな試みです。
うち5クラスは日本人のみ(日本語)、2クラスは多国籍チーム(英語)で、
多国籍チームのファシリテーションを担当してきました。

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研修で使用するフレームワークは、広く一般的なもの(Business Model Canvas)なので
知識を移転すること自体にはあまり価値はありません。
肝となるのはディスカッションのファシリテーションです。

僕のクラスは3グループあり、グループごとに、異なるビジネスモデルを検討し、発表をするのですが、
ワークの進め方に三者三様の傾向がでました。

グループA:
議論を拡散させるのが得意。壁のホワイトボードを目いっぱい使って、
最後まで議論が収束しないが、活発なやりとりとなった。
議論を触発するリーダーが存在した。

グループB:
早い段階から役割分担が進行われ(Marketingが得意な人と、数字が得意な人)、
分業が効率的に行われ、安定的に時間内に資料をまとめた。
ステークホルダーのマネジメントが上手にできていた。

グループC:
ボトムアップ式に全員が意見を出し、着実に事実ベースの数字を積み上げ
計画策定を行った。分析が上手。

事業の発展段階によって、相応しいチーミングやプロジェクトの進め方があります。
Aは創業期、アイデアジェネレーションの段階、
Bは同志を募り組織化していく段階、
Cは投資家やパートナーを説得し、資金を得る段階、
にそれぞれ強みがあると思いました。

これらのチームの議論に対し、その場対応で適切な質問とコーチングを入れて
彼らがアウトプットの質を上げるのをサポートするのがファシリテーターの役割です。
決して「知識・経験を教えてあげる」といった態度では成立しません。

とりわけ海外から参加者を招いて行う研修は、
このようなアウトプット中心の場になってきています。
知識インストール型や経験をベースにした啓蒙型の研修の時代は既に終わりました。
そして、

  • 一回では終わらない、継続的な取り組みにすること

  • 業務との関連性の高いテーマにし、職場に持って帰れるアクションをアウトプットすること

が重要です。

来年もこのようなワークショップが増加しそうです。

 

ストラテジック・プランニング

先週はシンガポールでストラテジック・プランニング研修の講師をしてきました。
内容は基礎的な戦略とマーケティングのフレームワークが中心なので、
そこには斬新さはなく汎用的なものですが、この研修の特徴は
最終的に自社の状況に当てはめて、グループで新しい事業案を発表する
エクササイズです。

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よく、経営の現地化を議論するときに「Think Globally, Act Locally」
という言い回しがあります。
この研修では、汎用的な戦略フレームワークを使いながらも、
議論の素材やファシリテーションの方法を完全にローカライズしている部分に
特徴があると言えます。
受講者の大半はシンガポール人なので、ケースに出てくる企業は
Capella(セントサ島の超高級ホテル)やSheng Siong(大衆スーパーマーケット)
などです。
またIKEAの家具ビジネスに関して議論するときも、この国は2-3年で人が入れ替わる
(海外からの赴任者が多い)特性や、ローカルの消費者は中古家具を好まないという
バイイングビヘイビアーの違い等も考慮し、2日間にしてはかなり濃密な議論の
場面がありました。

最終的には受講者に自社の新しい事業案をプレゼンしてもらいました。
自分たちで議論してアウトプットすることによって学びは最大化します。
受講者はほとんど経営戦略やマーケティングの知識がないところから
スタートしましたが、研修のビフォー・アフターの自己評価の平均はこんなに
大きなものとなりました。

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学びの効果を視覚化していくことも重要です。
たった2泊のシンガポール滞在を経て、すぐに横浜で別の研修です。
米国企業(Fortune 500)向けTotal Customer Focusの
ファシリテーションを行います。
追ってアップデートします。