LinkedIn訪問

私がLinkedInを活用し始めたのは20年近く前。
日本では比較的アーリーアダプターだったと思います。
個人で国境を越えて仕事をしているため、
グローバルなコラボレーションパートナーを見つける上で、
LinkedInは非常に役立ってきました。
欧米企業の本社から直接連絡をいただくこともあり、
現在の海外プロジェクトの多くは、
LinkedInでのつながりが起点となっています。

今週、LinkedIn日本オフィスで開催されたイベントに初めて参加してきました。
スタートアップのTA(タレントアクイジション)に関する
パネルディスカッションを拝聴し、多くの学びがありました。
その後の参加者との対話の中で、興味深い課題が話題になりました。
急成長中のスタートアップでは、アジリティを重視した採用と抜擢人事が行われます。
その結果、グロース段階において、ピープルマネジメント経験のなかった
社員がマネージャーになるケースが少なくありません。
「フィードバックスキルやコーチングスキルが未成熟で
組織の成長スピードに追いつかない」そんな声が聞かれました。

この話を聞きながら、以前、急成長を遂げる中国ユニコーン企業の日本法人で、
経営層や役員層へのコーチングやワークショップを行った経験を思い出しました。
まさに同じ課題に直面していたのです。
アーリーステージではスピーディな採用と事業展開が最優先されるのは当然です。
しかし、ある程度のグロース段階に達したら、
事業成長と並行してリーダーシップ開発に目を向けることが
重要になるのではないでしょうか。
トップアスリート、ミュージシャン、俳優は毎日トレーニングを欠かしません。
一方、ビジネスの世界で「どんなトレーニングを積んでいますか?」と問いかけると、
明確な答えが返ってくることは少ないように感じます。
組織の成長速度に見合った個人のケイパビリティ向上。
これは今後ますます重要なテーマになっていくと感じた一日でした。

8月から12月の状況

ビジネスの現場では、次の一手を描く熱気が高まる季節を迎えています。
この数ヶ月、私は様々な業界のリーダーシップ開発の「旅」に、
ファシリテーターとして伴走させていただいてきました。
Sier企業の執行役員向けミニMBAプログラム、
ITサービス企業の次世代経営幹部候補育成、
そして通信企業のハイポテンシャルリーダー向けワークショップ。

これらの現場を通じて、
私は研修のあり方が根底から変化していることを実感しています。

特に通信企業でのワークショップでは、
AIの活用を前提としたプログラム設計を行いました。
すでに「知識付与型の研修」の存在意義はなくなったと実感しました。

ITサービス企業での半年間にわたる
新規事業プラン策定のアクションラーニングでは、
参加者同士の学び合いが加速度的に深まりました。
デンマーク流のファシリテーション手法を取り入れた結果、
参加者の主体性は最高潮に。外部からの知識ではなく、
彼ら自身の内発的な問いと対話こそが、成長のエンジンとなるのです。

私たちファシリテーターが為すべきことは明確です。
場をデザインし、鋭い問いを投げかけ、視点の転換を促すこと。
その重要性を、日々再認識しています。


欧州系製造業のミドルマネジャー研修では、
5グループ約80名との壮大なラーニングジャーニーが進行中です。
マネジメントの基本から戦略プランニングまで、
合計8日間にわたるこの旅路。
最終日、彼らが自社の成長戦略、新規事業、
そして何よりも「メンバーとの関係の質」へのコミットメントを
プレゼンテーションする姿には、胸を打たれます。
座学で得た知識ではなく、
彼ら自身の未来への強い意志を感じる瞬間です。
来年度の継続も決定し、さらなるアップグレードを図ります。

製薬企業でのアクションラーニングでは、
「論理的プレゼンテーション」と「共感を呼ぶストーリーテリング」の
トレーニングを実施しました。
次世代リーダーに不可欠なこの両輪。
人は論理だけでは動きません。データや緻密な計画に加え、
聞き手の感情に触れる一場面を描き、共感と追体験を生み出す

ストーリーテリングが、真の変革を駆動します。

頭で理解する「知識」から、心で受け止め行動を促す「知恵」へ。
これこそが、私たちが目指す到達点です。

最後に、スポーツアパレル企業での
コミュニケーション強化ワークショップについて。
元プロテニスプレイヤーも在籍する、
グローバル展開の老舗企業です。
彼らのレスポンスの速さには目を見張るものがあります。
問いを投げかけると、瞬時に多様な意見や反応が返ってくる。
まるでテニスのラリーのように、
スピード感あるボールが絶え間なく飛び交います。
この活発な対話こそが、学習の熱狂を生み出すのです。

研修は、決して「予定調和のプログラム」ではありません。
それは、参加者一人ひとりの内なるポテンシャルを解放し、
組織の未来を切り拓くための「触媒(カタリスト)」なのです。

私たちは、その場を耕し、問いを研ぎ澄まし、
今日もファシリテーションの最前線に立ち続けます。